夏に多くなる!?尿路感染症・性病について~たまプラーザいとう泌尿器科~

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この季節には多くなる!? 尿路感染症と性感染症について

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夏に多くなる!?尿路感染症・性病について~たまプラーザいとう泌尿器科~

この季節には多くなる!? 尿路感染症と性感染症について

 夏は性病と尿路感染症が増加します。汗をかき尿量が減少するため、尿道に侵入してきた菌を尿で洗い流す機会が減少するためです。もちろん、梅雨が終わり夏が来て、気持ちが解放的になり性的にアクティブになることも一つの要因であると思われます。

 

尿路感染症とは

尿路に細菌やウィルスが棲みつき、増殖して炎症を起こした状態を言い、感染した場所によって膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎(副睾丸炎)、精巣炎などに分類されます。

女性の場合には尿道から菌が侵入すると直接膀胱に入って増殖し、膀胱炎を起こしますが、男性の場合には膀胱の手前にある前立腺に感染したり、精液の通り道に入って精巣上体炎を起こしたりすることが多く、膀胱炎の頻度は決して高くありません。

 

急性膀胱炎

膀胱炎では排尿時痛、残尿感、頻尿などの症状、場合によっては血尿や発熱を伴うこともあります。

尿検査を行うことで診断が可能で、治療は抗菌薬の服用です。

原因菌としては大腸菌や腸球菌など、腸の中にいる常在菌の頻度が高く検出されます。

膀胱炎を繰り返す方はほかの疾患が隠れている可能性もありますので一度精査をお勧めします。

 

急性腎盂腎炎

腎盂腎炎では炎症の起きている腎臓がある側のわき腹から背中の痛み、発熱を伴います。

痛みを感じない場合も多く、その場合は発熱のみの症状となります。せきやのどの痛みなどの風邪症状が無く発熱のみが認められる場合は腎盂腎炎の可能性を考える必要があります。

身体所見、尿検査、血液検査、超音波検査で診断が可能です。腎盂腎炎は、血液の中に細菌が入り、敗血症という危険な状態になるリスクの高い疾患ですので、なるべく早期に診断、治療が必要となります。

 

急性(細菌性)前立腺炎

前立腺炎は急性の場合の多くは細菌による感染で、高熱(発熱)や排尿困難、排尿痛や残尿感、頻尿症状を伴います。男性で排尿痛や頻尿症状と共に発熱を生じる場合は急性前立腺炎の可能性が高く、早急な治療が必要ですのでなるべく早く受診してください。

 

急性精巣上体炎

精巣上体(副睾丸)は精巣の上にあり、精巣で作られた精子を回収する働きと同時に、尿道から侵入した細菌が精巣に侵入するのを防ぐ役割があります。

細菌感染が生じると、左右どちらかの精巣、もしくは精巣周囲が急激に腫れ発熱と精巣痛を伴います。この場合もできるだけ早急な治療が必要となりますのでなるべく早く受診してください。

 

【性感染症】

性感染症は、性行為によって感染を起こす病気の総称です。

以前は性風俗店などでの不衛生な性行為による感染が多かったのですが、最近は、傾向として不特定のセックスパートナーとの性交渉やセックスの多様化などにより、広まりを見せています。

また、風邪のように喉が痛い(咽頭炎)などの症状で性感染症が発見されるケースも見られるようになり病状は多様化しています。

代表的な性感染症は、淋病、クラミジア感染症(非淋菌性尿道炎)、梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、カンジダによる包皮炎、毛ジラミ症、エイズなどです。

従来の治療が効かない多剤耐性のクラミジアや淋菌の存在や、過去の病気と考えられていた梅毒の急激な増加など、性感染症は決して稀な病気ではありません。思い当たる節のある方や、パートナーが性感染症にかかっている方は早めに専門医の検査と適切な治療を受けることが早期治癒への大事な一歩です。

また、当院では症状のない方でも感染が不安な方には検査を行うことができます(自費診療となります)。不安な方やブライダルチェックなど、ご相談ください。